【内容紹介】

鍼灸の治療手技のひとつに「刺絡」がある。即効性があり軽んじるべきではない手技であるにもかかわらず、現行法規のなかで鍼灸師がこの手技を用いるのははばかられるような風潮がある。そのため学校教育のなかでも、また鍼灸の業団組織のなかでも、「刺絡」の政党な評価や指導、教育がなされていないのが現状である。果たして「刺絡」は現行法規のなかで規制されているものであろうか。「刺絡」の臨床的価値はどれくらいあるのであろうか。その歴史、文献、臨床例、実際の手技等の角度から問題提起してみたい。

 

【目次】

＜口絵＞刺鍼家鑑集

 

＜特集＞刺絡

 

１．座談会

刺絡を見直し伝承していこう/大貫進,西岡敏子,石原克己,宮川浩也,奥平明観

 

２．基礎講座

井穴刺絡は刺絡の基本/島田隆司

現行法規と刺絡/中川節

 

３．アラカルト 私の刺絡治療

バージャー病で好結果/上原豊和

刺絡雑感/河内明

刺絡の過誤/谷岡賢徳

「刺絡」との出会いの記/鳴尾元一

急性心筋梗塞と鍼灸治療,とくに刺絡について/荻原正識,下中周次

刺絡と鍼灸の定義/加瀬正隆

刺絡の根拠資料・文献/多留淳文

 

＜随想＞

刺絡の想い出/坂口弘

 

＜写真シリーズ＞

刺絡の実際

 

＜教育講座＞

やさしい栄養学３/片山眞之,片山洋子

 

＜シリーズ＞

臨床家のための生理心理学７/山田冨美雄

治療室５心身症をうみだす不安/佐久間徹

中国医学史稿３甲骨文字に見る医学/猪飼祥夫

弁証論治シリーズ２耳鳴りと難聴/韓晶岩

 

＜症例報告＞

帯状疱疹後神経痛の１症例/尾?朋文,于思,野々井康治,安達操子

 

＜コーヒーブレイク＞

たまたまの托卵が進化した/加納義彦

 

＜研究所紹介＞

時系列分析による包括的病人理解を礎として/愛媛県立中央病院東洋医学研究所

 

＜私の本棚＞

『メスよ輝け』高山路爛策,やまだ啓太画

『パソコン通信の心理学』山田冨美雄

『公園通りの猫たち』早坂暁

 

＜ニュース＞